2016.8.26
中年乗務員の転職奮闘記|その3
会社に着いて着替えをすませたら、出庫前の点呼です。運行管理者に運転免許証を提示すると「はい、OKです!」の明るい声に、なぜか身体がピシッとしました。不思議です。初めての単独乗務ですので、気をつけなければならない重要事項が伝達され、項目ごとに返事をする私。最後に符丁を読み上げたら、すっかり仕事モードになっていました。職業ドライバーとしての自覚が芽生えた瞬間でした。こみ上げるモノがあったのも隠せない事実です。
釣り銭の両替をすませ、アルコールチェックを確認して、さあ出庫です。事務所スタッフから「いってらっしゃい、気をつけて!」の言葉に見送られて、今日の担当車へ。「今日が初めての単独乗務と聞いたので、念入りに洗っておきましたよ」洗車スタッフの思いやりに、またまたホロリ(涙)。もうこうなったら頑張るしかないぞ!と気持ちを奮い立たせたことは、記憶に新しく、また鮮明であり、忘れられない想い出になると思います。
出庫前点検をすませて、さあ出発です。期待と不安が交錯する、初めての体験。どんな道を走り、どんな街を訪ね、どのようなお客様と出会うのか。しかし走り始めてものの数分で、初めてのお客様がご乗車。「品川駅の港南口までお願いします」目的地を復唱し、ルートをご案内して実車ボタンを押す。同乗研修で教えられ、なんどもロールプレイングしたとはいえ、緊張の一瞬でした。今日から始まる、単独乗務。果たしてどんな一日になるのでしょうか。
