2017.3.2
ちょい乗りタクシー考察。
1月30日から始まった、距離短縮初乗り運賃。運行開始日から短距離利用のデータをとり始めたところ、短距離利用者が増えていますね。割合こそ公表できませんが、およそ3割前後でしょうか。とりわけ主要駅でお客様待ちを主とする乗務員は、この傾向が多く見られますね。では、業界全体ではどうかと言いますと、3月2日付の日経新聞では、大手3社も短距離利用が増えていると報じています。やっぱり!どうやら業界全体でも同じ傾向かもしれません。 会社の営業収入の視点でみると、各社ともに増加傾向ではないでしょうか。初乗り料金が引き下げられたことによって、いままでタクシーを敬遠していた方が、お客様として顕在化されたのでしょうね。「短距離の需要開拓元年」と言うにはおおげさですが、しかしこれを好機として私たちは働き方の概念やスタイルを再考する必要があると思っています。果たしていままでどおりの賃金体系でいいのか?とか、乗務員の高齢化にともなうシフトの在り方など、それこそ課題は山積です。 このような課題をひとつひとつ丁寧に解決しない限り、この運賃制度は「安かろう、悪かろう」の評価につながります。特にタクシー接近度の低いお客様に対して、心からのもてなしと丁寧な接客が求められるのです。筆者が品川駅でヒアリングをしたところ、多くの方が新料金を歓迎していました。同時にサービス業としてのタクシーの立ち位置にも言及され、安全・安心・快適を望まれているのです。乗ってくださるお客様は、単なるお客様ではなく、私たちを応援してくださる「ファン」であることを忘れてはなりません。 時代が変わり、目まぐるしく価値観が変わる現在、変わるスピードに負けていては、サービス業の本分を具現化できません。時代に即したサービス業とは?そしてその志を乗務員とともに共有していくことこそ、弊社のこれからの走路なのです。そして「お客様は神様」ではなく、私たちと同じ人間なのですから、乗っていただくことへの感謝と笑顔を忘れないようにしたいですね。お客様と乗務員は一期一会の関係。例えチョイ乗りであろうと、次の乗車にバトンがつながる運行にしたいと願っています。