2016.4.29
新人乗務員の転職日記 4
今日からいよいよ単独乗務です。期待と喜びと不安が交錯して、いままでの人生で味わったことのない興奮を覚えています。自宅の玄関で受け止めた家族の温かいエール。おそらく忘れることのない記憶となるでしょう。逸る気持ちを歩きながら静め、ロッカールームで制服に着替えた時、そこには落ち着いた表情の自分がいたことも覚えています。 点呼室で運行管理者から注意事項を聞き、アルコールチェックを済ませると出庫前点検です。初単独乗務の相棒は、オレンジカラーのクラウン・コンフォート。私よりも長くこの業界に身を置く相棒は、しかし頼もしいパートナーに見えました。エンジンをかけてインジケーションをチェックするなど、始業点検や出庫処理を済ませて、さあ出発です。 出庫して間もなく、手を挙げている男性のお客様を発見。ゆっくりと路肩に寄せ、後方確認を済ませてドアを開け、お客様をお迎えすると行先は品川駅までとのこと。初乗り¥730の距離ですが、私には長く感じられました。無事にお届けして、さあ次のお客様のもとへ。まあまあの出だしに気持ちが落ち着いたせいか、スムーズにお客様をお乗せ続けることができました。 指導教官に教えられた基本を守りつつ、都内を流すこと約20時間。疲れ具合を自分の身体と会話しながら走る愉しさ。お客様を無事に送り届けた達成感。その余韻を味わいながら売上金を納め終った時、緊張感から開放された心地よさが喜びに変ったことも不思議でした。小さな自信が芽生えたのでしょうか。次の出番が待ち遠しく思ったのも事実です。売上こそまだまだですが、初めての単独乗務にしては上出来!の初日でした。