2016.6.30
タクシードライバーは稼げる仕事か?【その1】
東京でタクシードライバーになりたいのですが、稼げますか?求人募集の広告を出していると、こんな相談を頻繁に耳にします。どうやら地方で働いている方のようですが、ひとが多い東京はタクシーにとって絶好のロケーションと思われているようです。もちろん地方都市に比べたら、ひとが多いだけチャンスはあると思います。稼ぎたい!その気持ちが強いほど、願いは叶うし、稼げます!と答えています。 ことし入社した新人乗務員は、月12勤務で平均6〜6.5万円を売り上げています。月にすると税込72万円〜78万円になりますね。歩率61%ですから41万円〜44万円です。これに交通費と中退金で1.5万円が加わります。以前は大手企業の会社員だった彼の年収は、およそ450万円。役職なしの平社員ですから、そんなものかもしれません。しかしタクシー歴1年目は、おそらく年収500万円以上になると思います。いままでの年収とは、比べものになりませんね。 こう書くと簡単に稼げるようですが、やはり努力は必要です。乗務員は「行ってきます」と走り出せば、自由の海原に漕ぎ出すのと同じ。上司もいなければ部下もいない。指示や注意をしてくれるひとは、誰もいないのです。モチベーションを高め、自らを律すると共に戒め、お客様がいらっしゃる場所を手繰り寄せる「やる気」がすべてと言ってよいかもしれません。 一般的にタクシードライバーは、社会的な地位が低いと思われています。でも、それは違います。お客様の命を預る仕事ですから、いい加減な気持ちでハンドルは握れません。事故が多い、違反が多い、苦情が多い。そんな乗務員は、厳しく指導されます。厳しい縛りのなかで走り、稼ぐこの仕事は、まさに男の仕事。自信と誇りが持てる職業にしたい。私たちは日々の業務のなかで、いつもそう思っています。