2016.5.14
新人乗務員の転職日記5
初めての単独乗務を無事に終了して帰社すると、待っているのは帰庫処理と洗車です。帰庫処理と言うのは、売上計算と納金のこと。私たちの会社では手書き日報方式なので、お客様をお乗せした時間と経路、そして金額を記入することが義務づけられています。メーター機から売上表をプリントアウトして、営業回数や金額を確認したら売上金を納金して、さあ洗車です。 営業所を出発して200kmほど走った相棒は、やはり埃にまみれていました。ていねいに水をかけながら洗車用のタオルで埃を落としてあげると、相棒は嬉しそうにボディを輝かせていました。自家用車でさえガソリンスタンドで機械洗車をしている私にとって、手洗い洗車なんて何年ぶりのことでしょう。そんなことを考えながらの洗車は、乗務員ならではの感慨です。 ボディを洗い終えたら、次はタイヤとホイールです。タイヤとホイールを自分で洗うことは、実はとても大事なことと先輩にアドバイスされました。つまりクルマが地面と接しているのはタイヤであって、その面積はハガキ1枚分。たったそれだけの設置部分に乗務員とお客様の「命」が乗っているのです。洗いながら走り終えたタイヤの状態を把握して、次の乗務員に伝えることも安全の引き継ぎを重視する私たちには大切なことなのです。 ボディとタイヤ&ホイールを洗い終えたら、次は車室内の清掃です。多くのお客様をお乗せした後席は、まだ見ぬお客様のためにまごころこめて拭き上げます。足元のマットを外してカーペットに掃除機をかけ、ドアパネル・窓ガラスを拭き上げます。お客様の忘れ物を発見するのもこのときです。そして運転席・助手席・インパネ・ダッシュボードなどを拭いて終了。充実感に満たされた、勤務明けの朝でした。