きょうの話題は
安全を支えるプロフェッショナルの続編「運行管理者」です。あまり耳慣れない職業かも知れませんが、彼らは安全運行を陰で支える職業人。合格率30%の狭き門である「運行管理者国家試験」を合格した者のみに与えられる称号であり、タクシー会社にとって必要不可欠な人材です。春になると話題になる安全運転ですが、それは乗務員だけが注目されることではなく、運行管理者がいればこその成果。日々の交通状況や通行規制、乗務員の健康管理など、万全の体制が整っているからこそ、乗務員は安心して仕事をすることができるのです。旅客輸送に情熱と誇りを携え、納得がいくまで安全運行の手を緩めない姿に、感動すら覚えます。

さて、運行管理者の仕事は、多岐に亘ります。出庫前のアルコール検査に始まり、安全運転義務の奨励や指導・監督、旅客サービスの徹底項目の周知など、接客業として当たり前とされている心得までも伝えるのが彼らの日常的な業務の一端です。帰庫した乗務員の走行記録を確認したり、売上金や納金額に間違えがないかも、管理者の仕事です。また、乗務員に営業車の状態をヒアリングして整備士に伝え、少しでも具合が悪ければ手を入れる。ささいな箇所でも見落とさず、安全運行を妨げないように仕上げる。ボディ、バンパーなどのエクステリアに、キズがあるようなら板金を施す。その地道な業務の積み重ねが、安全運行の礎となっているのです。