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2019.4.15

世界のタクシー|英国 ロンドン

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ロンドンのタクシーと言えば、黒いボディカラーの通称「ブラック・キャブ」。クラシカルな趣で、市民からも親しまれているそうです。1901年から始まったロンドンのタクシー事業は、長い歴史と伝統に育まれた、誇り高き職業と云われています。ですからタクシードライバーになるためには、半径10キロの市内25000通り320のルートを熟知しなければ、ライセンスがもらえないのです。
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なんでこんなに厳しいのでしょうか。その理由には諸説ありますが、タクシードライバーという仕事は、目的地に人を送り届ければいいというものではない。どの道を通るのが早いのか。正面につけられるか。雨の日はどこを通ればいいか。いまの季節はどの道が気持ちいいのか。さまざまなことを瞬時に判断できなければいけないというのですから厳しいですね。でも、なんでロンドンだけがこんなことになったのでしょう。
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それは紳士淑女の国だからだとか。「道を知っているという過去の知識や体験を、どの道が快適かとい
う未来に活かせることができて、はじめて紳士淑女をもてなす資格がある」というのです。これは、イギリスの騎士道精神からきているそうです。最近はこの精神が少々薄れ、スマホに映し出される地図を見ながら走行するタクシーが多いことにいささか落胆するお客さまも多いとか。
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最短ルートや混雑具合ならナビを見ればわかりますが、一本の桜の開花、もみじの風情まで知っているドライバーが、「ここ、昨日咲きましてね」なんて言いながら走ってくれるのは、人間のプロフェッショナルだけができる技でしょう。近い将来、こういうものはすべてAIに変わっていくといわれていますが、「すべて」ではないと思います。過去から未来の快感を察知するジェントルマンの精神を人が持ち続ける限り、AIよりも人は優位な立場にいられると思うのですが、いかがでしょうか。